お腹が弱い人の日記ブログ(゜ワ゜*)
No.371
2009/03/02 (Mon) 00:51:49
とあるできごと。
私は牛挽き肉400gを求め、
近所のスーパーまでくりだしたのだが、
今日に限って挽き肉は売り切れていて、
結局少し距離のあるスーパーまで歩いたのだった。
スーパー内部の精肉店。
合い挽きの方が美味しいかなんて
考えながら品定めをしていると、
熱心にこちらに視線を送ってくる精肉店店員に気づく。
髪の毛は繰り返しブリーチしたんだろう、
バサバサで傷みが酷い、オレンジ。
化粧は妙に目の周りだけ気合の入っていた。
若干パンダである。
それに店の制服を着ているんだから、
かなりの違和感を感じた。
まあ言ってしまえばイマドキの女の子。
視線が痛く気まずかったので、
早いところ用事を済ませてしまおう思った。
なるべくそちらを見ないで、
「牛挽き肉を400g」と口早に告げる。
すぐに愛想の良い返事が降ってくる。
「401gいかがでしょうか」
これも、店員を見ないように
量りのメモリだけ見ることに集中した。
包装紙の有無も聞かれた。
それにもそっけなく返事を返す。
彼女の手からそのまま袋に入った挽き肉を受け取る。
やっと気まずい視線から開放されると思っていた。
しかし、逃げるようにレジに向かおうとした私に、彼女は言った。
「ねェ、同じ小学校だったよね?」
**
そこから彼女はマシンガンのように話し始めた。
絶対そうだと思ったの、
中学も同じだったよ、
まあ私いっこ上なんだけどね、
少しも変わってないね、
だからわかったの
学校行ってるの?
ちゃんと卒業しなよ
そんなことをこちらが相槌をうつ暇も与えず、
怒濤の勢いで並べ立ててきた。
たまに質問が来るので、
そのときに喋らせてもらえるくらい。
いっこ上、ってところで
忘れかけていた敬語に慌てて切り替えたものの、
暫く使ってなかったせいでボロがですぎた。
**
帰り道、頭の中をずっとリピートしていた。
彼女のネームプレートにあった、
4文字のひらがな。
ずっと配列が変わっては元に戻ったり。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ
そう、あの人が誰かわからないのだ。
あんな顔、たくさん出会ってきたもの。
**
坂道を下りはじめたころ。
ふと、
小学生のときいじめられていたことを思い出した。
同い年の他の子よりも、頭ひとつ出ていた私。
それが理由で上級生によくいじめられていた。
帰り道のたび、いじめられていた。
突き飛ばされたり、石をぶつけられたり。
そうして思い出すのは、
少し色黒で
私より小さくて
ああ、意地の悪い、大嫌いだった、
あの、赤いランドセル。
そうか、あの人は。
あの頃の私がまだ私の中に生きていたのなら、
きっと精肉店でミンチにしてやりたいほど、腹が立っただろう。
あの人のせいで、後も色々損なったものはあったのだ。
けど、もうあの頃の私はいなかった。
いつか殺してやろうと思っていた。
そんな激しい憎悪もいつの間にか消化されていた。
あの人の中には、私はどう生きていたんだろう。
私の中ではもうほとんど息をしていない。
あー、明日美味しいハンバーグが作れると良いわ。
近所のスーパーまでくりだしたのだが、
今日に限って挽き肉は売り切れていて、
結局少し距離のあるスーパーまで歩いたのだった。
スーパー内部の精肉店。
合い挽きの方が美味しいかなんて
考えながら品定めをしていると、
熱心にこちらに視線を送ってくる精肉店店員に気づく。
髪の毛は繰り返しブリーチしたんだろう、
バサバサで傷みが酷い、オレンジ。
化粧は妙に目の周りだけ気合の入っていた。
若干パンダである。
それに店の制服を着ているんだから、
かなりの違和感を感じた。
まあ言ってしまえばイマドキの女の子。
視線が痛く気まずかったので、
早いところ用事を済ませてしまおう思った。
なるべくそちらを見ないで、
「牛挽き肉を400g」と口早に告げる。
すぐに愛想の良い返事が降ってくる。
「401gいかがでしょうか」
これも、店員を見ないように
量りのメモリだけ見ることに集中した。
包装紙の有無も聞かれた。
それにもそっけなく返事を返す。
彼女の手からそのまま袋に入った挽き肉を受け取る。
やっと気まずい視線から開放されると思っていた。
しかし、逃げるようにレジに向かおうとした私に、彼女は言った。
「ねェ、同じ小学校だったよね?」
**
そこから彼女はマシンガンのように話し始めた。
絶対そうだと思ったの、
中学も同じだったよ、
まあ私いっこ上なんだけどね、
少しも変わってないね、
だからわかったの
学校行ってるの?
ちゃんと卒業しなよ
そんなことをこちらが相槌をうつ暇も与えず、
怒濤の勢いで並べ立ててきた。
たまに質問が来るので、
そのときに喋らせてもらえるくらい。
いっこ上、ってところで
忘れかけていた敬語に慌てて切り替えたものの、
暫く使ってなかったせいでボロがですぎた。
**
帰り道、頭の中をずっとリピートしていた。
彼女のネームプレートにあった、
4文字のひらがな。
ずっと配列が変わっては元に戻ったり。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ
そう、あの人が誰かわからないのだ。
あんな顔、たくさん出会ってきたもの。
**
坂道を下りはじめたころ。
ふと、
小学生のときいじめられていたことを思い出した。
同い年の他の子よりも、頭ひとつ出ていた私。
それが理由で上級生によくいじめられていた。
帰り道のたび、いじめられていた。
突き飛ばされたり、石をぶつけられたり。
そうして思い出すのは、
少し色黒で
私より小さくて
ああ、意地の悪い、大嫌いだった、
あの、赤いランドセル。
そうか、あの人は。
あの頃の私がまだ私の中に生きていたのなら、
きっと精肉店でミンチにしてやりたいほど、腹が立っただろう。
あの人のせいで、後も色々損なったものはあったのだ。
けど、もうあの頃の私はいなかった。
いつか殺してやろうと思っていた。
そんな激しい憎悪もいつの間にか消化されていた。
あの人の中には、私はどう生きていたんだろう。
私の中ではもうほとんど息をしていない。
あー、明日美味しいハンバーグが作れると良いわ。
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